2006年11月15日

全面半田仕上げと部分半田仕上げ

たまたま訪問した、静岡ステンドグラス・スタジオさんのサイト
全面半田仕上げ部分半田仕上げについて記述があり、聞いたことはありましたが、その言葉の意味を初めて理解することができました。

http://www.syzk.com/>Texture&Techniques

拝見した中で、ふたつの半田仕上げの違いは判りましたが、疑問も出てきました。

静岡ステンドグラスサイト Works-7よりの記述 
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部分半田では、左の写真の様に接合部にしか半田がかかりません。
荷重がかかると、半田の途切れる箇所(▼印で示した部分)に負担がかかり、
金属疲労が集中すると、破損の原因になる事があります。

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この記述についてピンとこなかったので、質問のMLをしましたところ
大変解りやすい回答を頂きました。
静岡ステンドグラスさんのご了解を頂いたので、以下に紹介いたします。



Q が私からの質問で
A は静岡ステンドグラスさんからの回答です。

Q:「具体的に部分半田でその箇所が破損した例はありますか?
ガラスが破損するのでしょうか、鉛線部分だけですか?」

A:修復の仕事をしていると、割れた硝子の交換をする為に鉛を外したり、動かしたりする事になる訳ですが、

「時間の経過による変形」が原因の場合には、まず硝子に負担がかかり、割れが生じ、調べてみると、いわゆる「継目」の部分が弱っている、という事が分ります。

「硝子自体に衝撃をうけて破損」した場合にも、半田部以外の鉛線の変形が大きいようです。

以前、温泉旅館のステンドグラスの修復の際、お湯の成分の影響でしょうか、鉛の部分の腐食が目立っていました。


Q:「鉛線とはんだ、素材的には柔らかいものなので、どうもイメージが掴みにくいのですが」

A:金属の中で一番やわらかく加工しやすいのが鉛ですね。
つまり、切りやすい、曲げやすい、溶接しやすい。
半田は溶接しやすさを目的に作られた「合金」です。
勿論半田は鉛より硬く強い金属です。
鉛50%スズ50%、半分ずつ混ぜるので「半田」です。
スズ63%というのが一番効率的(融けやすく、経済的)、
これ以上値段の高いスズ分を加えても融けやすくはならないのです。


Q:「どの程度の加重がかかり、
金属疲労ですからそのストレス負担の期間がどのくらいあって破損するのか
その具体的な数値はわかりますか?」


A:残念ながら、細かい数字は今、分りませんが、
まず、ステンドグラスそれ自体の「自重」があります。
取り付ける環境によって外部風圧、室内からの風圧(気密性のため)など条件によると思います。
管理条件にも拠りますが3ヶ月で変形が始まる事もあります。


Q:「屋内施工では意匠目的の他で全面半田にしたことにメリットはありますか?
また、ガラスのカットのデザインによって
強度を保つために全面半田するメリットのケースはありますか?」

A:全面半田用の鉛線は成分上、純鉛に近い柔らかいものを使えるので、
(普通はアンチモンなどの金属を混ぜて硬くしてあります。)
「細かい表現が可能」で、「仕上げが美しい」ということは
表現者としては何よりのメリットだとわたしは思いますが、
それ以外には、
*パテのおさまりが良い。(鉛芯の溝の関係)
*前述、耐腐食性。



「鉛線の金属疲労の集中」についてですが、静岡ステンドグラスさんから説明を頂き、理解ができた私なりの補足をさせていただきますと、
鉛線1本用意したとして、その一部分を半田でカバーしたとします。(部分半田)
その試材を繰り返し曲げなどのストレスを与えたとすると、材質が(柔らかさなど)変わる境界点、つまり部分半田との境界部分に応力が集中する、というなのです。


静岡ステンドグラス様 
ご回答と掲載の許可を頂き、本当に有り難うございました。
今後とも、宜しくお願いいたします。

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